現在の日本では、高度医療技術の更なる発展により、たくさんの子どもたちの命が救われるようになりました。しかし、同時に何らかの先天性疾患を抱えて成長する子どもたちも増加傾向にあります。
以前は、重度な障害を持った子どもたちを病院や施設に預ける家族が多くいましたが、近年は在宅医療を奨める国の方針もあり、在宅で世話をする家庭が多くなってきています。そのため、訪問看護が必要とされており、小児科ナースが果たす役割が大きくなってきているのです。
小児の訪問看護における役割の一つが、医療処置管理の実践能力です。在宅医療を必要とする小児の多くは、様々な高度医療機器を使用しています。看護師は小児の処置だけでなく、それらの機器が正常に動作しているかの確認や点検等を実践しなければならないのです。
他にも、在宅医療は、地域医療に携わる福祉士や介護士など様々な職種との連携が必須で、高い協働能力も求められています。そして、在宅医療で最も重要なのは、小児を取り巻くの環境などを組した包括的なアセスメント能力です。必要な看護を適確に提供するための重要な能力となります。
このように、小児科ナースに求められる役割は熟練した看護技術だけでなく、多角的な広い視野と協調性、深い知識などが求められるようになっているのです。従って、今後はこれらを総合的に学習指導を受けられる看護大学院が増え、この様な指導を受けた実践できる小児科専門ナースの需要が高まると考えられています。